※これはテニスのルールやその選手のスコアなど事前知識皆無の私が試合を見て頭に思ったこと・言ったことを(記憶する限り)書いていきます。そのため一部不適切な表現があり、また時系列もあやふやなのでご了承ください。
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先月下旬に家族がWOWOW退会連絡するのを忘れたおかげで、去る日曜の9日(日本時間)に行われた全米テニス決勝戦中継をリアルタイムで見る環境が整った。大坂なおみという選手が日本人初出場するとのことで、ルール知らないが話題作りに見てみることにした。
普段は誰も絶対起きない日曜の朝5時、リビングのテレビを最低音量でつけた。
会場はアメリカのどこかで、客席にピアーズ・ブロスナンがいたことは分かった(ハリウッド俳優まで観に来るのか)。
テニスを知らない私でも今回の大阪なおみ選手と戦うセリーナ・ウィリアムスの存在はどこか聞いたことはあった。
「(あれっしょ、セリーナ・ウィリアムスってめっちゃ強いんでしょ…?)(そらそうでしょ。だって見てごらんよ筋肉スゴッ!)」
私の脳内があーだー言っているうちに選手二人はウォーミングアップを済ませ、本試合が始まった。
開始早々実況者は「ボールの音が違う」とか言っているが普段のボールがどんな音なのか知らない。あと気がついたらポイント入ったが手前と奥のどちらが大坂なおみ選手なのか、よく見ていたつもりがよく分かっていなかった。
「(…なんか進んだんだよな!?)(なんか進んだんだよ!!)」
また審判や向こうの実況が英語で何か大量に言ってるらしいが英語はよく分からな…「(あっ今ファール、ファールって言った!)(これぐらいの英語なら俺でも分かるわw)」
またどちらかに点数が入ったらしいが画面左下にある点数表に気がついて、大坂選手に入ったことを理解した。
「(テニスはポイント入ったら15なのか)(そうそうたしか最初が15で次が30なんだよ、マリオテニスやったときそうだった)(俺くわし~!)」
マリオテニスやったと言っても小学生ぐらいのとき家電量販店のゲーム体験コーナーで1回やっただけだ。
「(あれっ次40になった)(何故だ…何故急に10プラスになるんだ…?)」
ポイントの細かい増え方まで覚えてなかった。
「(40の次が点数表ADになったけど、あのADって何?)(あっAD側の(忘れた)選手がポイント入れたら終わった)(えーと、つまり40の次取ったら王手的なやつなんだな)(窮地だね)(それな)」
ともかくAD側がセットポイントを取って選手二人がベンチに座った。
「(今ので1セット終わったの?)(何回やれば勝ちなの?)(えーとー(よく分かんないけどたぶん)今のを1セットで全7セットのうち先に4セット取って、それで全5コースのうち先に3コース取ったら勝ちなんだよ)(だったら大坂選手優勢だね)(いやーまだ分かんないよ)」
先ほどから会話らしきことを書いているが、この部屋には私一人しかいない。嘘みたいだが私は脳内でひたすら自分と会話するクセがある。つまり独り言ならぬ二人言、三人言で物事を即座に理解するためのツールの一種でもある。
脳内が会話している間に向こうの中継カメラが客席側を写して、大坂選手を見守る彼女の母親を写した。
「(あれが大坂選手のお母さんか)(ちょっと宴会でかなり呑んだ翌日のJUJUさんみたいな)(ちょwww誰かに似てると思ったけどそれだわ)」
中継カメラが次に写した上空のスタジアム屋根にはCHASEってロゴが書いてあった。
「(CHASEって会社知らないけど、ここCHASE社のスタジアムなんだね)(ねーこういうとき会社の名前って重要だよね)(もし夢グループ(通販会社)がオーナーだったら夢グループスタジアムになるのかな)(ドリームグループスタジアムwwwアメリンカンドリーム感すごwww(バーグハンバーグバーグ(WEBメディア)がオーナーだったらバーグハンバーグバーグドームになるな)(おふざけの極みwww)」
「(ここはROLEXが公式時計なんだね)(これがオリンピックだったらOMEGAになるんだよね)(オリンピックでしか見かけないよ2年毎のOMEGA)」
もちろんだがROLEXもOMEGAも持っていないし実物も見たことがない。
それからセリーナはベンチに座りながら審判に文句言っていた。
「(ここでテキトーな吹き替え入れたら面白いな。昔のホットペーパーのCMみたいな)(懐 か し w w w)(“こな大人数の前でピアノ弾くんホンマ無理やわぁ…こんなん聞いとらんし先言うといて!?”)(そうそうそういうのだった)」
点数表が私の想像と違う数字表示をし始めた。
「(やっぱこれ違うじゃんか)(んじゃ何ポイント取っての優勝なん?)(そんなの知らん)(いいかげんだな…)」
そのまま見ていたらセリーナが急にラケットを地面に叩きつけた。
「(ラケットぶっ壊した! すんごい曲がってるし泣いてる!!)(しかもラケット壊したら相手有利になるんだ)(でも威嚇パフォーマンスになるんじゃない?)」
ここで私は冷蔵庫の麦茶を取りにキッチンに行った。その間にセリーナは審判に直談判し始めた。
「(何かいつのまにかセリーナが審判と揉め始めた)(何か今セリーナからドーターって聞こえたんだけど)(聞き間違いじゃね?)(やっぱ?)(何故ここで娘が出てくるw)」
後で知ったがトンチンカン発言は現実に言っていた。
「(今度はゲームペナルティとやらをくらったぞ)(奥からレフェリーとやらまで来たで)(プロ野球だったら大乱闘だな)(サンライズ(スタン・ハンセンの入場テーマ曲)流してねぇ)(↑デレーレーー ↓デレーレーー ↑デレーレーー ↓デレーレーー)(パパパー↓ パパパー↑ パパパー↓ パパパー↑)」
脳内はあまりに分からない競技に対して飽き始めたのか茶化していた。まるで興味のない授業をふざけ倒す小学生のようで、まるっきり昔の自分だった。どうやら20年経っても性根は変わってないらしい。
いつになったら勝敗が決まるのだろうか。早起きでまぶたも重くなって、耳の遠くからブーイングらしき群衆音を認識したとき、その試合の先制攻撃で大坂選手が打った。
「(…へ?)(…へ?)(試合…)(終わった…)*1」
試合が終わった直後、セリーナが審判に指差して何か一言言った。
「(“お前覚えてろ”)(シンプルでよろしい)」
何がどうなって試合が決まったのか、2時間近く見ていても結局分からないまま同じテニスコート内で受賞式が行われた。
その途中でも「負けて明後日の方向を見ているセリーナ」「勝った直後に小分けのバナナ食べてサンバイザーの上に倒す乗せる大坂」「解説者席の伊達公子より詳しく解説するリポーターの松岡修造」、眠たい自分にとってカオスだった。
大坂選手がお母さんに会場から直接報告に行った。それまでクールだったお母さんが悲願の優勝を果たした娘とハグして号泣していた。
「(ラスト歌い終わったJUJU…)(やめろ)」
受賞式は比較的感動の場面で、トロフィー前に泣く大坂と背中押すセリーナ。この構図は素人でも迫る感情を呼び起こした。
いざトロフィーを持つもリアクションと今後の進行が分からなくて困惑する大坂選手に共感した。報道陣のカメラがまだ目の前にいて去るわけにはいかない…。ただそれに答えるインタビューの99%はやはり英語で、同じ日本でもインターナショナルに活躍する彼女のその存在は大変遠くて、肉体の私と脳内にいる限りの私たちで惜しみない敬意を込めて拍手を贈った。
イベントが終わったら急に眠たくなった。でも、その前に気になることがあった。
「(ツイッターどうなってんだろ)(見てみよ!)」
大変遅れましたが…大坂なおみ選手、全米テニス優勝おめでとうございます!
そして大坂なおみ選手、セリーナ・ウィリアムス選手、試合を見守っていたテニス関係者、全国のテニスファンの皆様、そしてJUJU関係者の皆様、誠に申し訳ありません…。
改めて文章に書いてみたら自分の情緒大丈夫か心配になってきましたが、同時に「本当はもっとアホなこと言い合ってたんだけど全部まで覚えてないことが惜しい…」と思ってるので見た目より大丈夫そうです。
*1:おおおおおお!!!!!!