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好きと得意は別の話というか別の次元。

【#014|その名はファミコン】

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 もう世代的に減ってきてはいるが、とりあえずゲームというもの全てをファミコンと呼ぶ人が結構いた。ざっくり言うとゲーム自体に興味がないし本人自身も知る気もないからだ。自分の身近で言うと私の父がそうだ。
 
 それでもCMのPS4ファミコンと呼んだのは驚きだった。会社も違えば33年も時が経っているというのに。つまりそれほど興味がないのだ。
 
 人間短い生涯なのだから、なるべく好きなもので残りを固めたいものだし、私自身だってそうだ。仕事上必要でないなら趣味の途中で死ぬのが本望だ。
 
 そんな父の好きなものの一つに『釣りバカ日誌シリーズ(1988年~2009年:日本)』がある。
 
 ご存じ仕事より釣り大好き浜ちゃんと釣りの弟子で浜ちゃんの会社の社長スーさんが日本各地でドタバタ騒動を起こすコメディ映画だが、今もテレビ放送があると何事があっても父は必ず観ている。
 
 ただ気になるのは、この『釣りバカ日誌』は私が物心付く前からテレビ放送あると必ず観ていて、BSジャパンで年に1回あるシリーズ一挙放送(全20作を毎週1本ずつ)も毎週必ず観ている。そう30年近く同じ内容をひたすら繰り返してみていて、30年近くテレビの前で同じボケにギャハハハと涙流して大笑いしているのだ。
 
 いくら好きでも人間30年も同じボケに笑えるのか。
 
 昨日の記事で穂村弘さんのエッセイを繰り返しても読みたいと書いたが、最初に笑いを口に含んだ時点で私のなかでもうその笑いは消化されている。それ以降は彼の言葉に微笑んで遊んでもらうだけである。
 
 コメディ作品の中で一番好きな勇者ヨシヒコでも5回が限界だ。それ以降はメレブのツッコミを一語一句狂いなくメレブより早く言えるようになるし、何よりボケが覚えられた時点でそのボケはその人にとって賞味期限なのだ。
 
 ということは父にとって30年経ってもまだ賞味期限が来ていないのか。
 
 もはやタイムリープすら疑ってくる。
 
 だけど、その理由を父に直接聞けない。もちろん怖いのもあるが…自分の好きなものは絶対否定されたくないを息子の私が感じているのだ。だから父の好きなものを否定しない見返りに私の好きなものも否定されたくないと思っている。そのおかげで『釣りバカ日誌』の横で家族が別のことしていても咎められないし、一生互いが歩み寄ることもない。
 
 そう、人は自分が興味ないものには全てファミコンと呼ぶのだ。

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【本日の参考文献】

高橋 弘樹
2018-12-20
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【あとがき】

 あなたにとって人生No.1の映画は何回繰り返して観ましたか?
 
 私の最高記録は『ビューティフル・マインド(2001年:アメリカ)』でDVD3回です。
 
 熱狂的に好きな『パシフィック・リム(2004年:アメリカ)』でも劇場2回です。発売日にBlu-ray買ったけど1回も見たことがありません。
 
 大好きな映画は見た回数分だけ初見に味わった感動が薄れるような気がするからです。先ほどの「ボケの賞味期限」と同じ理屈です。だから、あの日の感動ピークを思い出しては何度も噛み締めます(おい誰だ、反芻って言ったのは)。
 
 だから父の笑う姿が同時に羨ましいです。
 
 そりゃ何回でも同じテンションで観ていたいよ…。