昨日に続き、またもやレジネタである。
近所のスーパーで晩ご飯の材料を揃えて、レジで会計を待っていたとき、隣のレジつまり私の前にある隣の列のレジにて、明らかに元ヤンな40代くらいの明るい茶色の長髪女性が会計していた。
位置的に私は彼女の後ろ姿を見る形になるのだが、ついチラ見である気になる点を見つけてしまった。
耳の上を分岐点に髪の毛が分けられたそのわずかな隙間、彼女の右耳後ろの皮膚部分にワンポイントの小さい黒色の刺青(タトゥー)があったのだ。
動物や文字ではなく何というか、メラメラ燃える炎のシルエットというか、男子中学生が好きそうなドクロの挿絵がある英字新聞の白黒反転された痛いTシャツの模様にありそうな、そういうものが彫られていた。
ねぇ。これ誰が見るの…?
また別に彼女のどこかに立派な刺青があって、耳後ろのはオプション程度だとしても、わざわざ耳の後ろまで見にいく人はいるのか。
一般的に刺青といったら、外人モデルのオシャレなデザインとか 筋肉ムキムキ軍人のアメリカンなやつとか、遠山の金さんの肩の桜吹雪とか、任侠映画の背中に彫られた天女とか般若とか、そういうを指すイメージがあるから彼女のワンポイントはある意味意表を突かれた。
彼女が丸刈りとかスキンヘッドとかそういう大変トガッた髪型だったら友人や通行人に見える機会が増えるかもしれないが、彼女のは工藤静香みたいな長いソバージュである。圧倒的に見える機会が少ない。私だって角度的な機会で見えているだけだから、通行人はさらに見えない。
というより本人自身も見えていないだろう。鏡で見えない部分の刺青に何の意味があるのか。自分は端から彫る気はないし興味もないが、たとえ彫るとしても自分の視覚の範疇に作りたい。眼球から一番遠い足裏ですら自分で見れるだろう。耳後ろなんて鏡を介してアクロバティックな自撮りでもしないと見れない。そんな苦しい思いしてまで彫る刺青とは何だ。
たとえば全身刺青する漁師は自身が海難事故で流された際、いかなる場合(岩場で顔面すり潰されたり、サメなどに体一部食べられたり)でも家族に自分を知らせるためだそう。そのおかげで自身の遺体が家族の所にたどり着けた例は少なくない。
たとえば全身刺青する漁師は自身が海難事故で流された際、いかなる場合(岩場で顔面すり潰されたり、サメなどに体一部食べられたり)でも家族に自分を知らせるためだそう。そのおかげで自身の遺体が家族の所にたどり着けた例は少なくない。
また背中の刺青なら一生自分が見れなくても、周囲に黙ったまま己の存在を主張が出来る。漢は黙って背中で語れ、任侠はその美学で成立している。でも(他になかった場合)耳後ろの小さな刺青で誰が恐れ入るのか。銭湯に行っても老眼のお婆ちゃんから「おねえちゃん、ちゃんと耳の後ろも洗いなさい」と優しく注意されそうな。
何だかサザエさん的なアットホーム感があって、温かい感じでまとまりそうだから別の観点から攻めてみよう。
色々と考えてみたが、もうなかったので諦めよう…。
とりあえず彫るからには本人は何か意図があって、その部分に彫ったのだろうから他人である自分が理解できるはずがない。理解の範疇が越えたものにはもう立ち入らないのが自分のセオリーである。
私の脳内がそうこうしている内に私より向こうの会計が先に終わった。彼女は「っかぁぁぁ!!」とイラつきながら耳の後ろの刺青部分をポリポリ掻いてから財布を開けた。
やっぱりさ、それ、いらないやつだろ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【あとがき】
何やら長々と書いていますが、実際時間は30秒ちょっとぐらいで、そういうクセなのか脳内の考えるテンポが異常に速いんですよ。
そういう初段階時点のテンポは必ず共通して一切言語化されていない雰囲気です。写真というか映像というか漠然と記号化された様々な絵図が異常に速いアニメーションとしてバババといくつも動いて、自分なりに結論だと思う絵図を脳内に出します。
その経緯を辿り直す形で思い出していき、今みたいな文章としてまとめる作業に入って初めて自分はこういうことを言いたかったんだ・主張したかったんだと改めて自身の考えを深く理解していきます。
ずいぶんと回りくどい作業をしているように見えますが、自分にとってはこれこそ一番早く安全な作業なので苦は全く感じません。
それより最初から整理化された文章・図案として考えるほうが自分には難しいです…。
まずは脳内を散らかしていかないと何も思いつかないし作業も進みません。たとえ非効率だとしても、私のプロセスをお許しください。
またそんな私のプロセスがかかっても、耳後ろの刺青の意味が分かりませんでした…。
この人の気持ちが分かる・何かヒントになる情報があるという人は、コメント欄なりメッセージなり私にご教授お願い致します…!
(最後に、これは私個人のやり方、あくまで自己流の範疇での話なので。もちろん万人に有効な手段ではありません。ですので話の半分ぐらいは真に受けないでください)