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好きと得意は別の話というか別の次元。

【#054|怪獣鉄塔】

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 自分の住む部屋の窓から見える光景の遠い先に高圧送電用の巨大な鉄塔がある。

 そして、その巨大な鉄塔の麓にいつも利用する最寄りのバス停があり、そのバス停で待っている間、時々その鉄塔を見上げては毎回思うことがある。

「もし怪獣が実在していたら、きっとこんな風に見えるんだろうな……」

 小さい頃からゴジラとかガメラとかウルトラマンとか、最近ならクローバーフィールドとかパシフィック・リムとかキングコング(髑髏島の巨人)とか、自分にとって怪獣映画は自身の趣味を支える柱のひとつである。

 また、今まで観てきた怪獣映画の本数分の柱で構築されたような巨大な鉄塔に自分の思う怪獣像を投影しているのだ。

 もし実際に怪獣がいたとしたら、まず最初に襲われるのは最寄りのバス停で待つ私だろう。それは死活問題だから動かないでほしい。できることなら一生そのまま止まっていてほしい。

 そう考えると、まるでヤシオリ作戦が成功した後のゴジラ(『シン・ゴジラ』2016年:日本)を見ている気分だ。まあこの鉄塔よりあのゴジラのほうが数十倍も大きいから、サイズ感に基づいて言ったら新宿歌舞伎町にあるTOHOシネマズ新宿のゴジラ像のほうが近いかもしれない。

 そういえば『シン・ゴジラ』の最後に主人公(長谷川博己)は動かないゴジラを見ながら一言だけ呟く。

“「人類は、ゴジラと共存していくしか無い。」ーー矢口蘭堂

 東京日比谷にある東宝本社前にあるゴジラ像と共に飾られている言葉だ。

 この鉄塔は自分が生まれたときにはもう建っていたから、少なくとも30年以上この場で共存している。

 最初は異質の存在だった怪獣もそれだけ共存していたら誰が目を向けるのだろうか。仮に目を向けるとしたら、きっと悪い意味で共存する概念がまだ無いものだと思う。

 つまり子供だ。子供は日常に潜む怪獣を見つける天才だ。それは常識に囚われない自由な発想の源でもある。だから常識では存在しない出来事を視覚的に具現化、そして自由な発想を全面的に肯定してくれる怪獣映画に夢中になるのだ(別にヒーロー映画でも通じる話だが、あくまで怪獣好きな元子供の個人的な意見なのであしからず)。

 待ち始める時間にもよるが、タイミングが合えば、だいたいこの辺りでバスがやって来る。だからといって妄想が終わるわけではない。今度はこのバスに乗って、硬直する怪獣からいち早く逃げなくてはいけない。怪獣は今電線で縛られて動けないから、この足かせに手間取る時間を利用しないわけにはいかない。

 バスの運賃表が数を増やす毎に怪獣の姿は住宅街の山々に隠れていった。そしてバスはビル群に突入して、駅前まで近づくことに成功した。あとはバスより速い電車に乗ればアイツの手から逃れられる。

 電車から先は普段の生活に戻る。今日の出先に向かう普段の生活に戻る。

 夜になって、あのバス停まで戻ると鉄塔の先端がゆっくりと赤い点滅をしていた。まるで呼吸してるように見えたので合わせてみた。ぐっすりと寝ているみたいだ。起こさぬように静かに帰った。

 翌朝、再び窓を覗くと、怪獣は黒長い光線を窓の先まで真横に放っていた。
 
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【本日の参考文献】

2017-03-22
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【あとがき】

 怪獣映画の魅力は何でしょう?

 魅力の定義は人それぞれですが、自分なりの魅力が書けた気がします。

 今日本で怪獣および特撮映画の魅力を語らせるとしたら、やっぱり『シン・ゴジラ』の総監督である庵野秀明じゃないでしょうか。

 監督の(変態的に)情熱を注ぐ部分はドラマ『アオイホノオ』にて容赦なく描かれていると思います。やっぱり原作者(島本和彦)が同級生だとキャラの人物像がいきいきとしていて、アンノがいかにバケモノなのかがよく分かります。神の申し子かと疑うぐらい変態的だからこそ最終回(ドラマ版)のモユル(主人公)に贈るアドバイスにはグッとくるものがありました(あれ本当に言ったのか気になるぐらいすごく好きなシーン)。

 そんな監督の情熱で『シン・ゴジラ』が製作されたわけですが、数日前のネットニュースでは庵野監督が『シン・ウルトラマン』が年末に製作開始するとかしないとか(円谷プロは「当社が発表したものではない」と声明だしましたけど)。

 実際どうなのか分かりませんが、さすがに来年の『エヴァンゲリオン劇場版』公開を遅らせてまでとは思いません。でも『アオイホノオ』で映像課題に自作のウルトラマン映画を製作した(これは実話)あの監督が本気でウルトラマンを作るとなると、特撮好きには見逃せない話題です。

 一部の記事では主演に岡田准一、ヒロインに土屋太鳳の名前が挙がってるみたいですが……なに、岡准が科学特捜隊(ウルトラマンに変身するハヤタ隊員的立ち位置)になるの?

 そんなの3分契約のウルトラマンより永久保証の岡准を体長40mさせたほうが手っとり早いじゃないか。

 ジークンドー(ブルース・リーが設立した実戦と哲学を重視したカンフーの流派)・カリ(フィリピンの伝統武術。棒・紐・ナイフも使用するのでFBIや世界中の軍隊が採用してる)・USA修斗(打撃と寝技の融合“打投極”を極めた総合格闘技)の師範(インストラクター資格取得)だぞ。ジョン・ウィックみたいにエンピツ2本ほど渡しとけば怪獣5匹ぐらい倒してくれると思います。さらにショットガン渡せば確実に頭撃ち抜いてくれると思います。地球防衛の永久保証“岡田准一”!

 気のせいか、だんだん岡准がマグマ大使に見えてきた。大変頼もしく感じる。

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 ちなみに「マグマ大使~!(ピポポ・ピー!)」と笛を吹くマモル少年のお父さんは岡田真澄ですので、くれぐれもお間違いなく。

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【お知らせ】

 またまたまた呼ばれて飛び出ててジャジャジャーーーン!!!と通常更新お久しぶりでございます。

 またもや更新の復活とか今後の活動とかどうこう的な話なんですが、実はしばらくの更新を昨年8月で一時停止してた過去編の続きに当てようかと思います。

 なぜそんなことを思ったかというと、平成終了まで直前に来ているのだと先月末にやっと自覚しました。

 個人的に平成は負の思い出が目立った時代ですので、負の思い出は負の思い出ちゅうに処理すべきでは…?そうしないと私は新元号を受け入れられないのでは…?と脳筋堂々巡り・悟リフレインに考えました。

 できれば3月中、いや4月いっぱい……。

 週2回更新を目安に、が、頑張ります…!汗