『ビギナーズラック《beginner's luck》』……「賭け事などで、初心者が往々にして得る幸運」(引用:大辞林 第三版)
よく映画やドラマで初めて宝くじを買った主人公が1等を当てる場面がある。
逆に同じような奇跡に近い確率で主人公が命の危機を脱出する場面もある。
まさに物語お決まりのパターンであるが、もし後者の確率が前者における確率と同等ならば、私も経験者の一人になると思う。
ただ私の経験はちょっと早い。
母が私を身ごもっていたとき「切迫流産」の危険性があった。生存確率は3割未満、医者でさえ慰めの言葉を考えるレベルである。
もちろん今こうやって記事を執筆しているので、ネタバレする余地もなく「7割の悪運に勝った」わけだ。そのかわり予定日よりも早産する、もしくは予定日通りでも未熟児として産まれる、という別の形で問題は容赦なく帰ってきた。
さて結果はどうだったか。
予定日が近づくにつれ、中の胎児つまり私にある変化が見られた。
何とこの場に及んで180°寝返ってしまった。つまり逆子状態になったのだ。これには医者も予測できなくて壁に向かって匙を投げた。
さらに予定日が近づくにつれ、また新たな変化が見られた。
何とこの場に及んで180°寝返ってしまった。しかもヘソの緒がよじれない往復リターンで。まさに対偶の逆子状態である。これには医者も予測できなくて壁から跳ね返ってきた匙を取った。
いざ予定日になった。
なのに産まれる傾向が見られない。これには医者も疲れすぎて投げた匙を引き出しにしまうので精一杯だった。
何やかんやで長期不明滞在した私が外界へ産まれたのは当初から約1週間後の5月30日、平成になって最初の5月30日である。しかも産まれた時の私の身長も体重もその年の新生児平均値ピッタリだった。
おそらく病院始まって以来のケースだったのか、その病院にいた関係者のほとんどが私たち親子を祝った。今の私が大好きな映画に例えると、まるでラララと民衆が踊る高速道路もしくはグレイテストなショーマンが歌うサーカスのようであった。
この数多い病院スタッフの中で、担当した医者にとって大変喜ばしい事である。これはヨーロッパで古くから伝わる『銀の匙』でも贈ろうと直ぐ側にあった引き出しを開けたが、そこには備品の歪んだステンレス製しかなかったので、満面の笑顔で黙って引き出しを押し戻した。
その後も母児ともに体調面良好。
いえ、『体調面は良好』でした…。
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【あとがき】
匙の部分は嘘です。本当です。