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好きと得意は別の話というか別の次元。

【#047|能動的アリバイ工作】

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 買い物が終わって外へ出るショッピングセンターの出入り口で、足元に落ちていた映画の半券を拾った。
 
 作品は『くるみ割り人形と秘密の王国』。
 
 偶然にも先月観にいった作品だ。

 

 場所はこのショッピングセンター内にあるシネコン
 
 ちょうど自分が見た映画館だ。

 

 上映日時は今から3時間前。
 
 まだショッピングセンター内を回っていた時間だ。
 
 いわゆる用済みの落とし物だな。完璧だ。今このチケットを持っていたら、もし自分が事情聴取されたとき「この映画館でこの作品を観ていた」という嘘の自供ができるかもしれない。つまりサスペンスドラマで言うアリバイ工作だ。 
 
 たとえば今日ショッピングセンターのどこかで窃盗や殺人など何か事件があっても、場所によってはこの半券を見せることで私は容疑者リストから外されるかもしれない。
 
 たしか探偵ガリレオシリーズの『容疑者Xの献身(東野圭吾:文春文庫:映画2008年)』が映画の半券を使ってアリバイ工作をしていた。あれと同じことを今自分はしているのだ、そう思うと余計にドキドキする。
 
 仮に刑事に「どんな作品だった?」と訊かれても答えることができる。現に観たことがある作品だから、細かいあらすじも感想も直ぐに言い返せる。ここの映画館はポイントカードがあって財布に入っているが、それも「窓口で見つからなかったから出さなかった」とシラを切れば良い話だ。
 
 もう少し磨けば、さらに精巧なアリバイになりそうだ。
 
 そういえば目撃者と監視カメラの網をどうやって逃れるか。今の自分の姿は
 
◆整髪していない黒短髪
JINSの黒縁眼鏡
ユニクロの黒ダウンコート
◆ノーブランドの藍色ジーパン
◆OUTDOORの深緑デイパック
 
 あまりにも特徴が無さすぎる。つまり誰も私を見たことも見ていないことも確証して言えない。幸運にも特徴のない平凡な顔つきだから、誰もが私を指摘することができない。監視カメラでも似たような人物を何人も映しているだろうし、科捜研にでも回さない限り識別しにくい格好だから、危険なときはその間に逃亡でもすれば良い。
 
 そもそも家に帰る予定なんだから、現場とは早く離れるべきだ。
 
 どうだ、これこそ完璧なアリバイ工作だと思う。
 
 もし、このアリバイ工作で問題点を上げるとしたら、この半券が小中学生料金であることだ。
 
 さすがに小中学生に擬態するのは無理がありすぎるし、もしこの半券の持ち主が誘拐や行方不明になっていたら、第一に疑われるのは本人の半券を持っている私だろう。元々ありえない半券を持っている時点で疑惑は確証に変わる。
 
 まずいな。こんな半券なんて今すぐ捨てて、今すぐこの場を逃れよう。
 
 ショッピングセンターの出入り口から徒歩15分のところまでたどり着いた。
 
 ここまでくれば捜査の手からも逃げられるだろ……ああしまった!
 
 拾った時点で私の指紋が付いている。だけども出入り口に戻る猶予はない。
 
 もっと遠くに逃げよう。どこに逃げようか。たとえばショッピングセンター内のスーパーで牛乳が売り切れてたから、ここから徒歩10分のところにある別のスーパーに逃げるのも良いかもしれない。
 
 誰かの手が回る前に早く向かわなければ…!
 
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【本日の参考文献】

東野 圭吾
2020-04-24
楽天ブックス
 
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【あとがき】
 
 たぶん話の流れ的に映画の感想とか書くべきなんでしょうが、あいにく自分が想像してたのと合わなかった(期待しすぎた部分が大きい)ところがあって、あまり良い感想が書けないかもしれません。
 
 もちろん世界観の映像も綺麗だったし、劇中の音楽も素晴らしかったんですが、肝心のくるみ割り人形が最初から完全に人間だったし(それに「まあくるみ割り人形!」というのはさすがに不自然)、たしか原作では事件が終わった後くるみ割り人形は魔法で人間に生まれ変わるはずが、別に最後そのまま(最初から人間の姿してるから変身しようがない)だったし、「こ、これ、ワイの知ってる『くるみ割り人形』とちゃう……」とどうしても思ってしまうのが正直な感想です。
 
 この感覚、前にもあったな…。
 
 そうだ。『アリス・イン・ワンダーランド(2012年)』のとき同じことを思ったんだった。要するに原作から乖離しすぎだよな……何だよ最後「これからの時代は中国よ!!中国でビジネスよ!!」って……(原作厨の弊害)。
 
 これから上映されるディズニーの実写映画では『ダンボ(2019年)』と『メリー・ポピンズ リターンズ(2019年)』と『わんわん物語(2019年)』が楽しみで、ほぼ観に行くつもりなんだけど、大丈夫かなぁ…。
 
『ダンボ』の監督が『アリス・イン・ワンダーランド』のティム・バートンで個人的に好きな監督なんだけど、ティム・バートンはクセが美しいからイメージがまだ付いていない原作かオリジナル作品をもっとやってほしいです。
 
『ナイトメア・ビフォア・クリスマス(1993年)』めっちゃ大好き…!!
 
チャーリーとチョコレート工場(2005年)』夢があって良かった…!!
 
ビッグ・フィッシュ(2003年)』たぶん世界観が好き過ぎて泣く…!!
 
 最後のはまだ観てないけど、観る頃にはもっと上手に批評かけるようになりたい。
 
 良い批評の書き方、本当に分からないから困る…。