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好きと得意は別の話というか別の次元。

【#036|将来キツネが住む家】

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 最近、近所にある大きな空き家に新しい住人が入ったのか、夜になると部屋の1つの窓が点っていた。
 
 自分が覚えている限りでは5年ほど人が居た形跡はなく、そして空き家にはもったいないほどの立派な邸宅であった。たぶん売値数千万~数億円辺りであろう。ここに居住を構えることは私の中で一種の成功を物語っていた。
 
 そして最近、顔の知らない成功者がここに引っ越してきた。
 
 まだ中の間取りすら見たことないが、いつか自分が成功したら、ここに住む未来があったかもしれない。そう漠然と思い描いたものの一つが消えたので、現在ある残りの選択肢たちの確率が上がった。
 
 そうすると、たとえば自分が10年後に住むのはここではなく駅に近い分譲マンションかもしれない。それともここから少し離れた回りに高層ビルがない閑静な住宅地にあるのかもしれない。もしかしたら仕事や家庭の関係で隣県かその先の知らない土地に住むのかもしれない。まだ予定がないので分からないが。
 
 ともかく将来自分の憧れる家に住む、そのためにはまず自分が何で成功する気なのか、その準備に今の自分は何をどうやるべきか。そこを考えないと何も進まないし始まらない。そこまで思考が回ったところで停止させた。
 
未来のどこかの銀行
「どうやらあなた様は我々の融資に値する基準を満たしていないようですので、どうぞお帰りください。ゴー・トゥ・ハウス! ナメクジッ!!(塩をぶっかける)」
 
未来のどれかの私
「いいなぁー、カタツムリさんは帰るお家があって……」
 
 思考停止させたら想像力が著しく劣化し始めたので再開させた。
 
 
 
 
 
 
現在の私
「ふん、良いんだ良いんだ。あの邸宅の前は大型トラックも通る本通りで、深夜になったら寝れないほど喧しいんだ。むしろ金持ちになる前に売れて本当に良かったよ。危うく間違った買い物するところだったわ!」
 
 現在の思考力ではイソップ童話のキツネぐらいしかならなかった。これではいけない、反省せねば。
 
数分後の私
「ああ今までの自分は何て愚かだったんだ…。家族にも迷惑かけてしまったしな、今さらだけど一生懸命働いて家計に納めよう」
 
数ヵ月後の私
「家族に直接渡すの恥ずかしいから今月もポストに給料袋入れとこ(バンッ)」
 
 何者かに胸部を撃たれて、ばたんと倒れてしまった。
 
猟銃を持った家族
「ごん、いや綿飴、お前だったのか……」
 
 ――よっしゃ、この号泣エピソードで夢の印税生活を狙うぞ!
 
キートン山田的なナレーション
「実家暮らしのキツネは今日も元気にクズであった」

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【本日の参考文献】

新美南吉
1986-10-01
楽天ブックス

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【あとがき】
 
 今回の記事を書く上で、当初のプランでは「近所の豪邸に誰か引っ越してきた。いーなー羨まC!」みたいなはずだったんですが、気がついたらキツネになってました…。
 
 クソッ!
 
 いったい、どこで道を誤ってしまったんだ…!!
 
 たぶんそういう性格だからでしょう。
 
 どうしてもキツネになってしまうなら、善良なキツネが主人公のお話を持ってくれば良いじゃないか。ということでグーグル先生に訊ねてみました。
 
 先生がオススメしてくれた話がこちら。
 
『キツネとカラス』――カラスをおだてて餌を横取る話。 
 
『ライオンとクマとキツネ』――漁夫の利みたいな話。
 
『聖書』――イエス・キリストが小心者の悪党ポンテオ・ピラトのことを「あのキツネ」とあだ名で呼ぶ記述がある。
 
 あのイエス・キリストが悪党認定したのだから正真正銘の悪党ですね…。
 
 ええ認めます。キツネも私も悪党です…。